11.03.2017

「魚が食べられなくなる日」

 2017年11月3日
屋久島

日本の漁業に関する本を読み漁っている。
その中で、お勧めを一つ。

 

本の帯にはこう書かれている。

「ニッポンの海」の嘘と誤解
①魚の激減は中国漁船の乱獲のせいだ
②増えたクジラが魚を食べつくしている
③養殖があるから漁獲量が減っても大丈夫
④獲れないなら輸入すればいい
⑤日本は世界一の漁業大国

’’日本の漁獲量は最盛期の4割以下、
クロマグロ、ウナギは絶滅危惧種、
サバは7割、ホッケは9割減、
ニシン漁はほぼ壊滅状態、、、’’


日本の漁業や魚に関する本はたくさんでていて
同じようなニュアンスの本もたくさんあるけど、
最も分かりやすく、納得できる形(論理的)に説明されている。
内容はタイトルの通り、魚がいなくなりますよというもの。

特に素晴らしい点は
漁獲量や資源量に関する、過去から現在の統計が
様々なグラフでたくさん示されていていること。
印象的な言葉としては、

「漁業者の年齢以外は右肩下がり」(本文より)

資源量、漁獲量、輸入量、養殖業、漁業者人口などなど
すべてが減少している中で唯一上がっているのが、
漁業者の年齢という悲壮さ。

日本の漁業が危ない、なんて言葉では済まされない。
もう末期的状態である。

 そして本書の一番の魅力はその説得力だろう。

なぜ魚がいなくなったのか。
どうすれば魚が増えるのか。
いち消費者にできることは何か。
それらが鮮明に記されている。

 決して、危機を煽るだけの本ではない。
明るい未来がチラチラと見え隠れする、そんな本かな。

絶対に変わらなくてはいけないのは、
現在の漁業の制度。
しかし最も変わるべきは、
国民一人一人の認識なんだと分かった。

ダイバーも漁業者も消費者も中国人も関係ない。
日本の海を豊かにするにはどうしたら良いのか。

冬の夜長に是非読んでもらいたい一冊。
 




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